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第四十三話「犬のしつけ論争」
 私が曾野綾子氏のエッセイを愛読していることは前にも述べた。
曾野氏はあるエッセイの中で、犬のしつけのことにふれている。
その内容のあらましは次のようだ。
「犬を飼っている人は、人間関係ならぬ人犬関係をはっきりさせなければ、犬は飼い主への従属がわからなくなってしまう。人に餌をもらわないと生きられない犬にとっては過去も未来もなくあるのは現在だけだ。機会あるごとにこちらが飼い主であるという人間と犬との位置を常にはっきりさせた上で可愛がるべきだ。」
私が、曾野氏の“膨大なエッセイ集”を読み続けているのは、その辛口の内容に、賛同する部分が多いからだ。
しかし、今回の犬のしつけのエッセイはいただけない。真っ向から反対だ。反論を試みたいのだが、プロの作家である曾野氏に文章の表現能力で勝てるはずはない。そこで卑怯なようだが苦肉の策として、プリン姫の写真集を掲載して対抗する。プリン姫は犬ではない。写真をみて判断して頂きたい。犬以上だ。
 
光栄にもこの余話を曾野氏が読んで下さって感想を頂けたら(現実にはあり得ないが)、次のような内容になるだろうと想像する。
 
 

         2013年5月1日
矢野耳鼻咽喉科院長  医学博士 矢野 潮